格闘メディカルアドバイザー 丹羽健二先生

■ 競技の枠を超えた「心と体の整え方」
今回のオンラインレッスンでは、メディカルアドバイザーであり、豊富な指導実績を持つ 丹羽健二先生 を特別講師にお迎えしました。
フルコンタクト世界大会出場選手をはじめ、RIZIN出場選手や世界チャンピオンのサポートも行ってきた丹羽先生。
理学療法視点からの知見と実戦経験をもとに、「試合で本来の力を発揮するための身体の整え方」を伝えてくださいました。
この日は受講生の空手の試合を控えていたこともあり、空手心構えと身体操作を軸に進めていきました。
■ 「不安」とどう向き合うか
先生がまず語られたのは、“試合前の不安”との向き合い方。
世界の頂点を争う選手たちでさえ、「明日試合をしたくない」と感じる瞬間があるといいます。
「怖いのは当たり前。でも“怖さ”を受け入れたうえで、一度深呼吸して“楽しむ”ことに切り替えることが大切。今日の出来事は今日で終わり。明日は明日の風が吹く。」
「絶対に勝たなきゃ」と力んでしまうと、身体が硬直してしまう。
だからこそ、『1回戦ごとに“楽しむ』という意識で臨むことが、本来の力を引き出す鍵になる。
その言葉には、どんなレベルの選手にも通じる深い学びがありました。
■ 重力と脱力を使う身体操作
後半では、試合前のウォーミングアップに取り入れられる身体操作を実践。
肩甲骨・股関節・骨盤の連動を意識し、「重力」と「脱力」を利用する動き を指導してくださいました。
「人間の体は“力を入れる”のではなく、“力を抜いた時”に最も速く、強く動ける。」
丹羽先生のデモンストレーションでは、力を抜いた投球動作や、指先を壁に伸ばすストレッチを通して、
パンチの質が変わることを体感できました。
単なる技術ではなく、体の軸を整えることで心の安定にもつながる内容でした。
■ 左のパンチを強くするために
参加者からの質問に対しては、個別のアドバイスも。
「左のパンチが弱い」との悩みに対して、
丹羽先生は“体重の乗せ方”と“踏み込みのタイミング”を細かく指導されました。
「手だけで打つのではなく、足の踏み込みと同時に体重を乗せる。
ナックルポイントを胸の中心に当てる意識を持つと、力が逃げずに伝わる。」
このような細部までの解説により、格闘技の本質を身体で学ぶ時間となりました。
■ 丹羽先生からのメッセージ
「結果よりも“成長”を楽しんでほしい。
勝っても負けても、そこに次の課題が見つかる。
その積み重ねが、チャンピオンの心をつくる。」
■ トレーニングを終えて
今回の特別講義では、「体の使い方」だけでなく「心の使い方」も磨く時間となりました。
ADRENIXでは今後も、こうした専門家による指導を通じて、
子どもたちが安心して挑戦できる環境づくりを続けていきます。
🩺 講師プロフィール

丹羽 健二(にわ けんじ)
格闘メディカル協会九州本部長
メディカルアドバイザー
フルコンタクト空手世界大会・RIZIN出場選手・K-1出場選手・プロレスラー・アマチュア選手からプロ格闘家のメディカルアドバイザーとして活躍。


